何を話す?

レフェリーな話

「そんな審判と会話しても大丈夫なん?」

「結局、話かけたら異議になっちゃうんでしょ?」

選手の皆さんと話しているとたまにそんなことを聞きます。

今回は審判員とどういったことをしゃべればいいのか・しゃべらないほうがいいのか、話すというテーマで書いていきたいと思います。

話して良いの?

選手や観客の皆さんの中には「そもそも話をしていいのか?」といった初歩的な疑問があると思います。

答えは「どんどん話しかけてください!」です。

と言うのもフットボールは、選手・チーム・審判員で作り上げるものです。対立するものではありませんし、私たちは皆さんと一緒にゲーム作り上げようと常に考えています。その中で多少のズレはあるかもしれない、そのズレを修正していくのはやはり会話だと思います。だからこそお互いのズレを試合の中で修正していくのはしっかりと会話をするということが大切だと思うのです。

そしてこれは育成年代の選手にもどんどん挑戦してもらいたいなって思います。

年代の違う審判員と選手という関係、パワーバランス、言葉掛けのタイミングや内容をいろんな形でチャレンジしてもらいたいのです。上手くいってもいかなくても、プロを目指す、より良いゲームを作る為には必要不可欠な能力だと思います。

学校や会社とも違う、違う価値観の人間で眼に見えないものを作り上げる行為を是非楽しんでもらいたいなって思います。

やって欲しくないこと

ここからは審判目線で、選手やチームの皆さんからやってほしくないことについてお話ししていきます。

罵らない・煽らない

どんな時でも攻撃的な言葉で罵らないでほしいのです。私たちも人間ですから、そんな言葉を言われると正直気分も悪くなるし話したくなくなります。もっと言えばフットボールがつまらなくなってしまいます

感情的にならない

もう一つは、感情的にならないで欲しいです。感情のテンションが高いままだと意図が伝わらなくなってしまいます。言いたいことだけ言って聞かない!ってなるとそもそも会話にならなくなります。

引きずらない

いつまでも判定について引きずらないでほしいです。納得しないからと判定したことを変える事はありませんだとしたらその時間はリスタートのために使って欲しいのです。

みんなで囲まない

1人の審判員に対して複数の選手が詰め寄って行くと言うのは見た目もよくありませんが、私たち審判員は誰としゃべればいいのかわからなくなってしまいます言いたい気持ちはわかりますが、少ない人数で話ができれば理解も深まると思いますし、試合の進行もスムーズにできます。

お願いしたいこと

じゃあ何を話せばいいのか?自分だったらお願いしたいことをあげていきます。

いつなら良いの?

正直言えば、アップの時から、試合中までいつでも話しかけてもらって良いと思います。疑問に思ったことや、前節こんなことがあったんですけど?そのスパイク何なんですか?なんて他愛ない会話でもオッケーです。

気持ちは熱く、態度はクールに

難しい判断をした時には、ついついテンションも上がってしまいがちですが、一呼吸おいて「なぜその判断になったんですか?」と話してみて下さい。気持ちは熱くなっても、態度はクールでいてください。その方が話のできる事が増えてくるはずです。

理由を知る

判定に対しては常に根拠を持って判定しています。「タイミングが遅れていた」「 線を越えていた」「安全にプレー出来なかった」など理由はキチンとあるのです。その理由をすり合わせる事で安全でエキサイトなゲームってのは作り上げられるんだろうと思います。くどく聞くのはダメですが、シンプルに聞くのは問題ないと思います。

試合中の審判員はドライなイメージがあると思いますが、私達だって人間です。

ミスもするし、すごいプレーを見ればワクワクするし、痛んでいたら心底心配するし、文句を言われれば悲しくなります。

アレ?噛み合ってないなと思えばドンドン話しかけてください。私たちもどんどん話しかけます!

フットボールに携わる時間だけでもみんなで幸せな時間でいたいと思ってます。

あっ、良い判定した時は褒めてください!