はくです!
緊急事態宣言が解除され、改めて新しい生活がスタートした方も多いんじゃないでしょうか?
自分も延期になっていた研修や試合、大会などのスケジュールが続々と入ってきて、「あぁ、やっと試合ができるんだな」って喜びと嬉しさと安心感が込み上がってきてます。
とはいえ、まだまだ油断は出来ません。
メディアでは「第二波に備えて」なんて言ってますが、個人的にはまだ第一波も収束していないのに油断は出来ないよ?って思ってます。
今後も手洗いとうがい、咳エチケットとソーシャルディスタンス、マスクは必須となってきます。
試合や大会も様々な部分で大きく変わってきそうですが、先日Jリーグが発表した『新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン』にとても興味深い部分があったので、今後予想される新しい試合様式を確認してみたいと思います。

©️Jリーグ公式サイト
今回、フォーカスを当てるのは「プロトコル6」の無観客試合の項目。
というのもこれまで試合中止や自粛が続いており、解禁されても当然の事ながら「無観客試合」ってのは想定出来ていたこと。でも、「じゃあ観客さえ入れなければいいのか?」って言われたら全く違うもので。
これはこれからの新しい試合運営の指針となるんじゃないかなって思った次第です。
私達が担当する地域レベル、都道府県レベルでも同じような対応が予想されるところを中心に選手・審判員として関係のあるところをご紹介します。
入場前
チーム、審判員、および競技スタジアムへの到着
審判員は各自到着し、試合終了後、各自退出する
毎日の定時の体温測定は、変わらず実施する
スタジアム到着時にチーム全員の体温を測定する。審判員についても同様とする
37.5 度以上の者がいた場合、次のように処置する
・タクシー等で、自宅またはホテルに送り出す
・クラブの衛生担当者に連絡する。衛生担当者はマッチコミッショナーに報告する。新型コロナウイルス感染症の疑い症状がある場合、チームドクターに相談のうえ、診療・検査等の適切な処置を行う・疑い症状がない場合、適切に経過観察する
唾・痰吐き・うがい等は、飛沫が飛び感染の原因になる。絶対にやめる。(チームおよび審判)
基本的には日頃の自己管理の徹底です。検温と症状の有無は自己管理は基本中の基本。割当当日は在宅時+会場到着時の検温は必須ですね。マイ体温計は持っておいた方が良いかもしれません。
競技用具、備品の消毒
試合開始前にボール、コーナーフラッグ、ゴールポストを消毒する
ボールは、ハーフタイムにも消毒する
正直、この項目はびっくりしました。というのも、ある程度の消毒は予想していましたが、コーナーフラッグ・ゴールポストまでの消毒は想像してませんでした。
となると、副審のフラッグも?
ボールパーソン、担架要員
無観客試合でのボールパーソン、担架要員は、できるだけホームクラブ職員が担当する
ボールパーソン、担架要員の人数をできるだけ少なくする
試合実施要項の[試合球]の定めに関わらず、上記の目的のために 8 個以上のボール を使用することは許容される試合前のマッチコーディネーションミーティングは実施しない。
徹底的に一試合に関わる人数の削減と接触の機会を削った形ですね。実際、MCM(マッチコーディネーションミーティング)は多職種が一堂に会する場所なので、感染リスクも高くなります。リスクマネジメントとしては最良の判断だと思います。(対策としてはおそらく事前の書面通知かと。)
いやはや、クラブスタッフは何役もこなして大変ですなぁ…。
ピッチ上でのウォームアップ
選手、コーチングスタッフは、マスクをしなくてよい
審判員はマスクをしなくてよい試合開始前の、審判団による選手チェックおよび用具チェック
各チームの更衣室前で副審が実施。副審はマスクを着用
ここは結構気になっていたところ。マスクの有無によって、あるいはスペースや時間で制限がかかれば、充分なアップが確保出来ず、怪我のリスクも増えてきます。屋外+ソーシャルディスタンス保てるからマスクは不要の判断かなと思います。
試合前の用具チェックの部分は、どうするのかと思っていましたが、マスク着用で対応可能なようで良かったです。
試合前〜試合中〜試合後
選手および審判団のピッチ入場~キックオフ
入場前の混雑を防ぐため、両チームおよび審判団はそれぞれに入場する
フェアプレー旗、クラブ旗、エスコートキッズは行わない
握手セレモニー、ペナント交換、選手や審判員の表彰、来賓などによるキックオフセレモニー等は行わない
チームの集合写真撮影は認められる。但し、社会的距離(できるだけ 2m、最低 1m)を保つこと
コイントスは主審および両チームのキャプテンにより実施する。但し、社会的距離(できるだけ 2m、最低 1m)を保つこととする
ピッチ上で円陣を組むことは、行わない
フットボールとしての最低限の部分を残し、その他は極力接触機会を減らす徹底ぶり。試合前の盛り上がりには欠けますが、リスクを考えれば仕方ないところ。
試合中の飲水、暑熱対策
飲水ボトルの共用を避ける。たとえ口が直接触れなくても唾液が飛ぶ可能性があり、感染の危険性はある。
氷水にスポンジを入れて体を冷やすことは、体を冷やすだけであれば容認される。
スポンジで顔を拭うことは行わない選手が口を付けフタをしたボトル等をクーラーボックスに戻すことは、ぜったいに避ける。
試合中の飲水については、各クラブとも練習再開から徹底されていたので、ボトル管理に関しては想定内でしたが、共有出来ないとなると、ポジションによっては極端に飲める回数が減る選手も出るのではと思います。
均等に機会を持つためにも給水タイムはしっかりと管理しないとなぁという印象です。
もちろん審判員も個別に準備して持つ必要がありますね。
ゴールセレブレーション
社会的な距離(できるだけ 2m、最低 1m)を保って実施する
フットボールとしての大切な部分も距離を保つという方法で認められたというのは結構嬉しいところ。でもわちゃわちゃ出来ないのは選手の皆さんにとってみればさみしいかもしれませんね。
ハーフタイム
選手、チームスタッフ、審判員等の引き上げ動線が混雑しないよう、予め確認する
ボールを消毒する
ここも兎に角、消毒アンド消毒。ゾーニングで接触機会の軽減。
試合終了時のセレモニー
両チームと審判団がピッチ中央に集まることは行わない
チームとして集まって自宅等で観戦しているファン・サポーターに挨拶する等を行う場合、社会的距離を確保すること
握手、ハイタッチ、抱擁は行わない
選手、チームスタッフ、審判員は、各自で更衣室に戻る
試合終了後も同じように、接触機会の軽減に努めています。ただその中でもオンライン配信など向けへの挨拶などは認められており(距離を保てば)良い対策だなと感じました。
読んでいて感じた基本的なスタンスとしては
日頃の健康管理の徹底
複数の人間が触れるものは徹底消毒
近距離で対面しなければならないものはマスク徹底
距離が保てるもの、屋外活動ならマスクは不要
これらの線引きがしっかりとされているな。という印象です。
審判員の部分では
体温計(日頃の管理)
試合前後に使用するマスク(移動時とは別に)保管時に使う袋(ジップロックなど)
副審のフラッグの消毒管理
審判員の各自の水分ボトル
は準備しておかないといけないと思います。
どうですか?きっちりとし過ぎていますか?
個人的にはこの対応は感染症の視点からみれば、凄くしっかりとしているなと病院スタッフと話していました。
メジャースポーツとして、感染症と向き合いながら、しっかりとリスク管理を行い、試合を実行する。
それは私達審判員も何ら変わらないのだと、このガイドラインを読んで強く感じました。
カテゴリーが下がれば、幾らかの項目で、対応が緩くなりそうですが、ここで感染が出てしまえばメディアでは「サッカーの試合で感染発生!」「フットサルの試合でクラスター!」なんて見出しがつくのは必至です。折角のいい流れを崩してしまいかねません。
緩くなってしまっているこんな時だからこそ、しっかりと対策して、安心安全に試合を運営していきましょう。
楽しい時間まで、あともう少し!
今日はここまで。